イグコ、ちょっと掘る & 質素な生活?
お腹は膨らみ、食欲は減退しているものの、まったく産卵衝動のないイグコ。まあそのほうがこっちもうるさくなくていいんだけどさー。去年もおととしも生んだのは2月末だったしね。いちおう産卵ケースはいつ始まってもいいよう、準備万端だし。
ところが、今朝のイグコ、私が差し出す菜っ葉を一枚食べたからまだかなーと思いきや、そのあとちょっとウロウロし始めた。ケースは最近またたまに雨が降るので、水浸しにならないようプラスチックシートをかけたりしてたけど、イグコにまず認識してもらわないと……ダメ? 去年のこと、覚えてない?
とりあえず蓋を持ちあげて、ほーら土あるよー、と見せたけど、見るだけで降りてこないので、つっかえ棒で蓋を半分持ちあげた状態にしておいた。
そしたら午後になって、入ったー!
左のつっかえ棒は落とされてしまってた(その音が聞こえて、入ったなと察知したんだけどね)けど、蓋がイグコのお腹やしっぽに落ちないようにと2本入れておいて正解だったなー。
イグコの尻尾の先まで押し込んで蓋を閉めてやる。
なかでごそごそ。
でもちょっとすると、あっさり出てきちゃった。
出るときはトンネルから出たので、もう次からは入るところもわかった……かなあ?
ケースの下の暖房機も今朝、ケーブルつないでスイッチオン! まあケース内の土はほんのりあったかい程度にしか温まらないと思うけどね。
出てきたイグコは見事にお腹側が泥んこ。
鼻先も、ここまで突っ込みました、って線をひいたようにw
「質素な暮らし」について
ところでこないだ、エキゾチックアニマルの診療を積極的に引き受ける獣医さんが書いた本を読んだんだけど。
- 作者: 田向健一
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2016/01/31
- メディア: 文庫
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「珍獣」にはカメやイグアナももちろん含まれていて、いろいろな症例や飼い主さん・獣民たちが紹介されている。著者自身もグリーンイグアナを小さいころから飼育して、23歳まで生きたという話。で、そのイグアナさんがメスで、23年間一度も産卵しなかったと。オスがいない環境だったらそういうこともあるだろうねえ。
ただちょっと考えこんでしまったのが、小見出しにもなっている「がんばって自然環境に近づけるほど、卵が詰まってしまう」という主張。
まず最初に紹介されているイグアナさんは、お腹がぱんぱんに張ってご飯を食べない、ということで来院。卵詰まりですということで手術したというんだけど……。口幅ったいですが、それだけで卵詰まり+手術はちょっと……。それプラス、吐くとかぐったりしてるとかがあれば卵詰まりだろうけどさー。お腹が張って食べないだけなら、イグコ毎年だしなー。それでもちゃんと(今のところ)無事に産卵してるし。
それはともかくとして、著者の主張は、
本来ならば、すごく貧しい餌を与え、質素に生活させると卵は詰まらない。詰まらないというより、卵をつくらない状態を保つということだが、質素な生活をさせることは、飼い主さんにとっては大変だろう。
(中略、著者のイグアナさんが一度も産卵せず23年生きた話)
熱心な飼い主さんは、がんばって飼育環境を自然に近づけるのだが、それが実はさらに卵を詰まりやすくする可能性がある。いくら自然に近づけるといっても、自然環境とまったく同じにするのは所詮、無理な話。卵が詰まるというのは、鳥も爬虫類も、人間に飼われている以上、一種の宿命みたいなものなのである。(p.76)
獣医さんだから、病気になったイグアナを重点的に見ているだろう、その中では確かに卵詰まりが多いのかも(上記症例も卵詰まりと診断していればなおのこと)。健康なイグアナの産卵についても比較してみないと、そしてもしかしたら野生のイグアナでもメスの死因は卵詰まりが多いかもしれないので、そこらも検証が必要だとは思う。
そして、質素に飼育して卵を産ませない環境だと、卵詰まりは起こさなくても、別の病気になるかもしれない。その辺のバランスはけっこう難しいんじゃないかな、この獣医さんみたいに絶妙なところでできればいいけど、そういう人ばかりじゃないだろう。
という2点をいちおう反論として頭に置いておきつつ、でもなあ、植物(多肉に限る?)でも花茎はある程度伸びたところで切っちゃうほうが(花を咲かせないほうが)植物本体に負担がかからないっていうしなあ。実際、イグコの産卵に使うエネルギーはすごいもんだし、でも結局無精卵なのにそれだけパワー使っちゃったら長生きできないってのも一理ある気はする……。
と言いつつ、「質素な環境」ってここでは気温湿度はまんまだから、餌くらいしか調整できないし、今年でもう5回目の産卵、やっちゃうだろうし、来年からは吸収してね、ってできるんか???
しょせん考えたって実行は無理、って話ですか……? とは言い条、うーん、とけっこう考え込んでしまった一説でした。イグアナ飼育者の皆さん、どう思います?