南国の隅っこ(新)

メキシコ南部の田舎町でカメとイグアナと犬と猫と鳥と暮らしてます。日々の記録。

カメンコの食欲不振と体重減少

 うーーーむ。カメンコ、ここんとこずっと食欲がいまいちだった。先々週だったかは猛暑のせいかなあと思ったりもしてたんだが、その後少し過ごしやすくなっても変わらず。イグたちが底なしかッ!ってくらい食べてるのに、カメンコは一日にトマト一個だけの日もあれば、それプラスカラバサ数切れ、ノパールちょっと、菜っ葉ちょっと、とか。食べ飽きたのかと庭のコダカラベンケイとかやっても、そこそこ食べるけど、量は少ない。

 そして昨晩、家に入れるときに体重量ってみたら、7kg切ってた。ひと月ほど前は7.5kg前後だったのに……。これはヤバくないか?

 卵かなあと思って、庭で歩き回るとき様子を見たりもしてるんだが、産卵の気配はない。


 それで、ドイツ語のカメ医学書をじっくり読んでみた。「食欲不振と体重減少」という項目がちゃんとあって(124p.)、可能性が列挙してある。

  • 生理的食欲不振
    • 抱卵期後期
    • 夏眠中(ホルスフィールドガメ)
    • 冬眠中およびその前後の短期間
    • 低温期

 これは、どれも当てはまらない。夏眠ってのがかろうじてかもだけど、なぜかホルス限定?

  • 病理的食欲不振

1.急性および慢性疾患

    • 感染症バクテリア、菌類、ウィルス)
    • 胃腸障害(異物、便秘、寄生虫
    • 食事が原因の病気
    • 新陳代謝異常(低カルシウム症、脱水、尿毒症)
    • 卵詰まり、卵胞詰まり
    • 腎機能障害
    • 肝機能障害

2.不適切な給餌(肉食カメに草食など)

3.環境変化への不適合

4.心理的なもの、あるいはストレス(他個体からの圧迫)

5.視覚障害(しもやけ、目の炎症、脳の異常)

6.不適切な環境要因(低温や紫外線不足)

 2,3,4,6はとりあえず除外していいと思う。5の視覚障害は、こないだアップした目からの泡!?と思ったけど、給餌してやりながら様子を見ていると、ある程度食べるともういらん、という感じで食べるのをやめて立ち去っていくので、食べたいのに見えなくて食べられない、というのとは違うと思う。目の泡が食欲不振とまったく無関係かどうかはわからないけど。


 で、1のなかで、各項目をさらに詳しく書いてあるところを読んでいて、これかもと思ったのが、食石(Lithophagie)。いろいろと思い当たる節がある……。

 とりあえず、寄生虫と卵詰まりも可能性あるけど、寄生虫検査は今度ウンチしたときにやってもらうとして(食欲落ちてるのでウンチの回数も少ない)、卵は産卵行動ないから、たぶん違うと思うけど、今日獣医さんに相談に行ったら、人間用クリニックでレントゲン撮ってもらいましょうということになった。週末は休み、月曜は私が隣町の病院に行かねばならないので、火曜日に。よかった、隣町のヤブ医者にレントゲン撮ってもらうしかないか、と考えてたとこだった。

 レントゲン撮れば、卵があればそれも映るだろうし、結石であればそれもわかる。そして食石であればそれも映るはず。


 で、食石なんだが。この本にも164p.に載ってるけど、ネットで調べたらもっと詳しく書いてあるところが複数。こちらこちら。ソースは同じ獣医さんぽいんだけど、内容に微妙に差異があるので両方。

 まとめると、食石の原因は、カルシウム不足、食物繊維不足、不適切な床材、寄生虫など。

 カルシウムは週に一回くらい、ミズガメ用の溶かすタイプのを削ってご飯に振りかけてやってるけど、結石が怖いので控えめ。それで不足してる可能性はある(もちろん甲羅形成に異常が出るとかいうレベルではないとしても)。そして、庭の半分は白っぽい(貝殻由来の)砂に混じって小石や大きめの貝殻もある。でもちょっとくらい食べてもウンチに混じって出てくるし、と甘く考えてた……。

 食物繊維も不足してる可能性はある。ノパールとかそこそこ繊維を含んでるはずだけど、水分も多いしね。


 症状としては、まったく無症状であることも多い。顕現する症状もさまざまで、落ち着きがなくなるものから、動かなくなるもの、痛みによる噛み合わせ、食欲不振、便秘、排泄しようと頭を押し戻す行動、などなど。胃に溜まった石が腸へと移動できないでいると、嘔吐や胃液逆流も。

 本当にひどくなると、腸が壊死したりもするので、獣医さん必須。


 対処法としては、長期にわたって、食物繊維をたっぷり食べさせること(ザウアークラウト推奨、ってマジか!? 茹でキャベツってことか?)、温浴させること。それで排便を促して、石を出させる。頑固な場合には、パラフィンオイルかアマ油を飲ませることも。オイルの量は、本のほうに書いてあった。パラフィンオイルは1ml/体重100g、二日ごとに、水と半々にして薄めて飲ませる。カメンコは7kgとしたら70ml! かなりの難行だなあ。オイルなしで治るといいけど……。


 今朝はどんより曇りで一時間ほどは大雨が降ったこともあって、カメンコは庭に出さずに、家のなかで。まずはカルシウムブロックを差し出してみた。不足してるなら食いつくかと思ったけど、起こされてすぐだったから寝ぼけてたのもあったのか、それとも食欲不振の延長上か、それともカルシウムは別に不足してると感じてないのか、あまり食べず。

 それから、がっつりお湯を沸かして水と混ぜて、37度か38度くらいのぬるま湯で温浴

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 最初、頭まで浸かってたけど、やがて顔を出す。

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 5分ほどでおしっこした。そのとき少し、粘液のようなものが紐状になって出てた。やっぱり寄生虫とかで胃腸の粘膜やられてる可能性もあるかなあ。


 それから食物繊維。キャベツはあるけど、その前に、友人が最近モルモットを飼い始めて干し草を餌として持っているので、頼んで少し分けてもらった。前からカメンコの餌にどうかなあと思ってたんだけど、かなりの分量でしか売ってなくて高いので、食べなかったらすべて無駄になるしな、と購入できずにいたもの。ひと掴みもらってきて、人間にはいい匂いと感じるそれを前に置いてやった。

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 匂いは嗅いでたけど、食べなかった。おいしそうなところをつまんで、食べるよう促してみたりもしたけど、ダメだった。

 しょうがないな。と諦めて、今度はキャベツを千切り(いや、もっと太くだから百切りくらい?)にして茹でて、やってみた。

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 キャベツは、甲状腺腫誘発の可能性があるからこれまで避けていて、でも一度だけ、少しなら大丈夫かもだし、繊維豊富だしと思ってやってみたことはあった。そのときも確か、まったく食べなくて、まあ無理に食べさせなくてもいいかーとあっさり諦めたんだよね。今日は茹でてやったのと、ふりかけみたいに干し草の粉を上に乗せてみたけど、やっぱり匂いは嗅ぐものの、食べようとせず。

 トマトなら食べるよね、と切ってやると、

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 これは食べる。

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 このくらいの勢いで食べる。最後のほうのトマトのかけらにキャベツを載せて食べさせたら、一切れだけは食べた。トマトの汁をキャベツに掛けてみたけど、

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 騙されませんよ? って目つき。

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 困ったねえ。

 とりあえず火曜日のレントゲンの結果を見るしかないか。杞憂ならそれはそれでいいんだけど、カメンコまでポチコやポチスケみたいにぽっくり逝ったらショックだからね……。

 あと、庭をどうしようか思案中。砂の部分に何か敷き詰めて(タイルとか、ござとか?)カメンコが歩き回っても小石を食べたりできないようにするしかないかなあ。コンクリ部分だけに行動範囲を限定すると、今度は暑すぎるとかの問題が出そうだしな。レントゲンの結果、石を食べてなければ、これは考えなくてもいいのか……。

 火曜日までにウンチが出て検便で寄生虫の有無もはっきりすればいいんだけどね。寄生虫がいたとしても、レントゲンは撮っておいたほうがいいかな。


 タラちゃんもまだ脱皮しないし、心配事が多い昨今です。