南国の隅っこ(新)

メキシコ南部の田舎町でカメとイグアナと犬と猫と鳥と暮らしてます。日々の記録。

イグアナの攻撃性について(1)喧嘩の様式

 カメンコ咬傷事件、怪我もほぼ治ったし、イグリンコも元通りに落ち着いて、何とか一段落ついたけど、やっぱりいろいろ気になってて、ずっと調べたりしてた。まだちゃんとまとまってないんだけど、今日のニャンタ凶暴化もあったし、昨日の犬の事件もあったし、ましてやイグアナは犬猫よりもっともっと難しいんだから、手遅れにならないよう勉強しないと……。

 今日は全部書くのは無理だと思うけど、だからって書かずにいたらいつまでも書けない気がするので、ちょっとだけでも。


 オスのイグアナが発情期に凶暴化するってのはよく聞く話。でもイグリンコはうちに来て3年、発情期は3回あったはずだけど、いつからいつまでが発情期だったのかさっぱりわからないくらい、おとなしい。とはいえ、行動範囲が広がり、イグコというメスを得て、これから変化していくだろう行動をちゃんと踏まえておかないと。


 私が知りたい点を整理してみる。

1.サブドミナントのオスが、ドミナントのオスのいない状況になったらドミナントになりうるのか? つまり、イグリンコがドミナント化するのか?

  これはたぶん、答えがないと思う。そういう飼育例がたぶんないし。自分で確かめるしかないよね。

(前に質問されたこともあるのでいちおう解説しておく。ドミナントは群れのトップに立つオスのこと。そして負け犬的オスは疑似メス=サブドミナントとして群れのなかで生きる選択肢もある。例のドイツ語イグアナ本によれば、他に、群れを離れて自分のテリトリーを作れる場所を探す、群れの端っこでチャンスをうかがいながら生きる、の三つの選択肢があるらしいです(102p.))


2.オスの求愛行動はどれほど激しいのか(ドミナントサブドミナントでも違うと思う)、メスをどれくらい傷つける可能性があるのか。

 メスイグアナがかなり深刻な怪我を負わされた、という話も聞くので、どのくらいが普通の求愛行動の範囲内なのか、どのくらいにエスカレートしたら引き離すべきか、知っておかないと。


3.繁殖期のテリトリー獲得のための攻撃は時期が限られている(はずだ)けど、対象物は? 飼い主に攻撃するのはこのパターンか? それとも求愛なのか?

 イグアナ(オス)がテリトリー意識を持つのは、繁殖期の二ヵ月ほどだけ(上記本より)。それ以外の時期は、テリトリーの概念はなく、群れでも上下関係とかなしに平和に暮らすトカゲなんだと。

 そもそも、なぜ人間である飼い主を敵認定して(なのか?)攻撃しちゃうのか? 単独飼育でイグアナと人間の区別をつける習慣がない個体の場合なのか? それとも飼い主に対する攻撃は発情期とか関係なく、生活上のストレスとかによるものなのか?

 この辺になると、ダメだ、ごちゃごちゃしてきちゃう。


4.攻撃的になったイグアナへの対処法

 これについては、本にもいろいろ書いてあるので、訳して紹介しつつ、他の意見もいろいろあるし、自分で考えたりイグリンコに関してはどうかってところを見極めていかないと。


 今のところイグリンコはおとなしいけど、カメンコのこともあるから決して油断はできない。むやみと警戒するわけではないけど、お互いのためにも事故を防ぐべく、予習はしておかないとね。

 てか、告白しますが、今日、イグアナ本を改めて読んでいて、イグアナ同士のコミュニケーションの最終形態としての「戦い」の章を読んだら……。イグリンコ、カメンコに対してまったく教科書どおりの定石の喧嘩吹っかけてました……orz これをちゃんと頭に入れていれば、カメンコの事故は防げたろうに……カメンコ、アホな飼い主でごめんよ〜。

イグアナの喧嘩マニュアル

 自戒を込めて、訳しておきます。箇条書き的意訳です。

  • (ボビングやその他のボディランゲージを解説したあとの章で)これらのコミュニケーションの延長としての戦いがある。これは、厳密に定められた儀式に従った戦いかたで、それによって過剰な負傷や場合によっては死を避けるためのものである。事故が起こるのはたいていの場合、(逃げ場のない)飼育下でのことである。

 つまり、イグアナ同士が怪我を負わせたり死なせたりすることは、自然ではめったに起きないということ。

  • 戦いの敗者は、通常さっさとその場から立ち去る。(飼育下で)敗者が立ち去らないことを、勝者は理解できず、更なる挑発と理解して攻撃を続ける。逃げられない敗者側も、続くストレスによって病気となり死ぬこともある。
  • 自然条件においてのイグアナ同士の戦いかた。それ以外のあらゆるコミュニケーション手段で決着がつかなかった場合、二匹のイグアナは頭を互いに押しつけ合う。この戦いはめったに起こることではなく、起こる場合はたいてい、繁殖期のオス同士の衝突である。メス同士も戦うことがまれにあるが、本当の争いになる前に終わる。
  • 二匹のオスは互いの周りをぐるぐるとまわる。その際、口から吐く息で音を立てて威嚇する。尾を激しく打ち鳴らす、など。互いの頭を押しつけ合うか、もしくは一方がもう一方の肩に頭を押しつける。そうやって、互いに相手を地面に押さえつけようとする。最終的に、相手の首筋に噛みつこうとする。

 これ、すべて、イグリンコがカメンコ相手にやってたやってたやってたぁー! カメンコはさっぱりわかってなかったし、相手にしてなかったけど。私もわかってなかったし、単純に怖がっている、威嚇している、としか思ってなかった。イグリンコ、きっちり儀式にのっとって喧嘩を売ってたのにね……。


  • どちらかが諦めて逃げ出すまで、このプロセスを繰り返す。あるいは敗者が首筋を噛まれて押さえこまれ、皮膚が黒ずむ。勝者が口を緩めたすきに逃げ出す。
  • ほとんどの場合、戦いは30秒程度しか続かない。例外的に、45分続いた観察例もある。

 つまり、逃げていく空間が充分にあって、イグアナ同士であれば、本当にひどい喧嘩はまずめったにないってこと。しかも、喧嘩が起こるのは繁殖期の二ヵ月ほどのあいだだけ。そう考えると、やっぱりグリーンイグアナはかなり平和的な動物だと言っていいんじゃないだろうか?

イグリンコのアピール

 昨日もチラッと書いたけど、今日もイグリンコはイグコに静かなアピールをしていた。中庭に出て日向ぼっこ中のイグコに、猫たちもいたけど、おおむね静かにしていて、とっても平和な午後。

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 あえて音楽なしで。

 イグリンコって初めのころはまったくと言っていいくらいボビングしなかったんだよね〜。まあ相手が私しかいなかったってのもあるかもだけど。今はすっかりおしゃべり?になって、ピョコピョコとよくボビングしてる。

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 イグコに対しても、とても紳士的に(今のところね)接近してるしね。

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 このまま静かに交尾もできるようになってくれればいちばんいいんだけど……。イグコがけっこう拒絶モードだからなあ(まあ今は交尾する気分じゃないだろうけど)、どうなることか。


 とりあえず今日はこれだけで。